COVID-19, 医療

【医療行政ブログ】新型コロナウイルス8(専門医)

みなさまこんにちは。行政書士の吉田真美です。

プロフィールに書かせていただいた通り、私は以前、医師専門の人材紹介業に従事していました。その関係で、今の日本の医療の現状を知ることになった訳ですが、今回のコロナ騒動において、医療に患者としてだけこれまで関わって来られている多くの方々と、医療現場を知る人との間に、大きな意識の差があることを知りました。

本日は、どういった学問を専門にしている方が多いのか、をお伝えしたいと思います。

皆さんが医療機関に行くとき、最も多いのは「内科」だと思います。皆さんにとっては、内科が診れる先生は風邪(呼吸器系)であろうと腹痛(消化器系)であろうと、全部診れるんでしょ?という感覚だと思うのですが。

勿論、先生方は一通り全部の科目についてお勉強をなさっています。素人とは比べ物にならない知識量を、どの部位についてもお持ちであることに間違いはありませんが、やはり先生方それぞれ、専門をお持ちです。これは、専門特化された医師を育成するという今の国の方針でもあります。

数字で見て頂くのがわかりやすいかもしれません。(令和2年3月13日調べ)

例えば、内科を専門とされる先生の内、総合内科専門医として、一通りの内科知識をざっとお勉強された先生は、日本全国で37,968名いらっしゃいます。しかしながら、その中で、呼吸器系(喘息とか肺炎とかの呼吸器まわり)を専門とされる呼吸器専門医の先生は、その約1/6である6,906名しかいらっしゃいません。しかもその先生方の内、2,556名は関東圏(一都六県)に集中していて、都道府県別で言うと最も多い東京都の1,146名に対し、最も少ない秋田県には32名しかいらっしゃらない、というアンバランスな関係が発生しています。

総数がすぐわかる形で出てこないので大雑把な数にはなりますが、消化器病専門医(おなか回りをご専門にされる先生)が約20,000人いらっしゃることを考えると、大きな差を感じて頂けると思います。

ちなみに、感染症の専門医となると、日本全国で1,564名ですから、もっと絞り込まれますね。

この、呼吸器および感染症を専門とされる、貴重な数少ない先生方で、今の現状を何とかしなければならない、ということなのです。

どの病院でも、なんでも治してもらえる、というのは幻想です。特に、今回のような専門性を問われる治療は、そもそも対応できる医師がいる病院自体が限られてしまいます。

このことを、この機に是非知ってください。いろいろなところで、医療資源という言葉が出てきていますが、その中にこの限られた医師、そして対応慣れした医療従事者、という意味合いもあります。今はこの、専門性をきちんと学ばれた先生方の言葉に、耳を傾けて頂きたいと思います。