COVID-19, 医療, 雑談

【医療行政ブログ】新型コロナウイルス4(休校要請)

こんにちは、行政書士の吉田です。昨日は外国人医療従事者の在留資格関係で東京入国管理局に行ってきました。ここは狭い空間にTDLを思わせる人の数で、いつ来ても心が折れそうになります。ただ期限等について今現在入管からのコロナ対応が打ち出されていませんので、ここの人ごみは全く変わりませんでした。

さて、一昨日は北海道知事による道内小・中学校の一斉休校要請が、そして昨日は首相による全国小・中・高校の一斉休校要請が発表されました。医療を語るときに前提にしなければならないのですが、個人の事情を出来るだけ排除した形で思ったことを書いてみたいと思います。決して、皆様毎の事情があることを否定している訳では無いということを踏まえて、お読みください。

まず北海道の公立小・中学校。様々、環境によって歪みが出る事は理解していますが、この英断は素晴らしいと思っています。何が素晴らしいって、テレビで最初に緊急会見を見た時に聞いた、「対象年齢が感染しにくい、または重症化しにくい事は承知の上で、無症状罹患者が無意識に感染者を増やすリスクを防ぐため」という発言。それも答弁的じゃなく、堂々と。

何故かこの発言、ネット記事上ではカットされてしまっているので確認出来ないのですが、確かにこんな趣旨の発言があったと記憶しています。

この知事さん、ちゃんと腹から理解して発言してるなぁと思ってキャリアを拝見したら、なんと私が日ごろお世話になっている、東京都福祉福祉局のご出身。さすがです。

一転、国が要請した小・中・高の全国一斉休校については大反対の立場です。

コロナウイルスは、今現在発生確認地域が限られています。正確な感染者数、については、検査をしないほうがよい軽症と思われる方が多数いる今、実検査数が不足しているから不正確だという論議はありますが、それは置いておくとしても、明らかな感染者、またそこを拠点とした明確な小規模感染者集団(クラスター)が認められる地域は限定されています。

また、感染は生活習慣や環境に大きく左右されます。これは、医療という分野において専門的な学習をしていなくても、理解できるところです。

昨日も看護師の友人と議論をしたところですが、例えば北海道の小・中学生が「自宅待機」と言われたら、一部の都市部を除く多くの小・中学生は、文字通り「自宅待機」をせざるを得ないでしょう。それは、彼らの年代が自宅以外の場所で感染源になりえる「場」自体が限られるからです。

でも東京を含む大型都市部でそれをやったら。そもそも自宅に待機出来ない児童・高校生は、街に繰り出すほかなく、自宅以外の場所で、追跡の難しい集団を形成するでしょう。若年層は、医療機関における定期検診を受けている大人より、隠れ持病の発覚率も低いと思われますので、思いもかけぬ重症者を出したり、感染を拡大させかねない。ある程度の年になったら一人で電車でどこにでも行けてしまう都市部と、基本が車やバスの生活(追跡可能)である地方を同一視するのはおかしな話です。特に高校生にもなれば、自我がしっかり確立されている。どれだけ大人に言い含められ、外出するなと言われたとしても、管理者が見ていないところではなんだって出来る年代。(自分がそうだったように。)

つまり、見方によっては、「子供が学校に行っている方が感染拡大防止に役立つのでは?」と思われる地域が、明らかに認められるわけです。

子供を一人に出来ない問題も、都市部の方が深刻でしょう。多くが核家族であり、特に東京は地方から出てきている人たちが多い特性を持つ街ですから、親御さんを頼るという選択肢は、地方の方より取りにくいであろうと、容易に想像できます。

勿論、国による小・中・高校の休校要請が実現されたら、一定の結果は出るでしょう。けれど、都市部においては学校以外にも集まる場所はたくさんあります。もちろん、若年層を守ることは大切なことではありますが、重症化しにくい世代の動きだけを「仮に」固定できたとしても、動き回り、社会活動を続けている大人はどうなんだ?という話になります。

私は、医学的に「理にかなった」情報だけを発信したいと願うものです。そのため、国が専門家の意見も聞かずに独断専行でGOしようとする、理にかなわない要請には、明確な疑問符を持っています。

本件に関連して、純粋に医療・感染という視点からの発表では無かった可能性については、以下の記事がわかりやすいと思います。

https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-muto?ref=hpsplash

「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」(座長=脇田隆字・国立感染症研究所所長) に参加されている、 東京大学医科学研究所公共政策研究分野教授の武藤香織先生へのインタビューです。

是非お目通しください。

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