医療, 雑談

【医療行政ブログ】昨今の感染症について(余談)

皆さまこんにちは。医療専門行政書士の吉田真美です。

医療系の話題としては、今は何をおいても新型コロナウイルス(COVIC-19)なのでしょう。医療分野に携わってはいても、医療従事者では無い者としての、本件に関しての私見を書いてみたいと思います。

2月18日現在、罹患者は全世界で70,000人を超え、日本国内(クルーズ船等除く)の罹患者は約60名、死者1名です。昨年の12月初頭に、武漢の勇気ある医師がSNSにこのウイルスに関しての警鐘を記事にしてから2か月強。確かに罹患率は高く、一気に広がっている感は否めません。

このウイルスが何故こんなに話題になるかと言えば、やはりまだ治療薬とワクチンが確立していない、という事に尽きるかと思います。治るかどうかわからないと思うと、確かに恐怖感は否めません。

ただ、皆さんはご存知ですか?日本国内でも、例年インフルエンザによる死亡者数が増加していることを。2019年は、まだ統計は出ていないようですが、1月から9月の9か月間で3,000人以上がインフルエンザによって死亡しています。2019年1月期には、1日当たり50人を超える方がお亡くなりになっているのです。

アメリカでは2019年10月から2020年2月1日までの間に、インフルエンザによって12,000人以上が無くなったことがひそかな話題となっていますが、正直なところ日本も他人ごとではない、という感覚を覚えます。そして、アメリカの事態があまり重視されていないことにも、「インフルエンザはワクチンがある、タミフルがあるから大丈夫だ」という過信があるように思えるのです。

報道により、新型コロナウイルスが注目を集める昨今ですが、医療に第三者としてではあっても深くかかわり、日々多くの先生方とお話をしている中で、「重症化率の低いものに騒ぐ労力を注ぐことで、通常のインフルエンザ等、既知の病に対しての防御が手薄になってはいけないのではないか」という思いを強くするようになりました。

新たな病に対して慎重になり、防御をすることはとても良いことです。見ての通り、国としてできることには限りがある以上、自己防衛は欠かせません。ただ、新たな病だけに目を向けるのでは、本質を見失う可能性も否めません。医療従事者ではないからこそ、冷静に、医療の現場の真実を少しでも伝え、情報は精査した上で発信することが大切なのではないかと感じる次第です。

一週間近い発熱、全身の倦怠感、咳、頭痛などを感じる病はほかにもあるんだということをお忘れにならず、くれぐれも、皆様ご自愛くださいませ。