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【在留資格変更申請】技人国の罠

皆様ご無沙汰しております。すっかり間が空いてしまいました。
実は先月から、急遽予期せぬ在留資格変更業務が舞い込んできており、少々慌ただしくしておりました。 医療系の在留資格であれば専門ですが、それ以外は「申請者の方よりは理解している」レベルなのでお恥ずかしいですが、ここのところ忙しかったことの所感等をかいてみたいと思います。

外国人の方は、そもそも日本に住み始めるきっかけの来日が「留学」であることが多いため、多くは留学から「技術・人文知識・国際業務(以下、技人国)」への変更申請を行うことが多い時期です。この 「技人国」 資格は、専門学校等を卒業した多くの元留学生が振り替えることもあり、誤解されることが多いのですが、法務省において「 前提として,学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的技術又は知識を必要とする活動又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性に基づく一定水準以上の専門的能力を必要とする活動 」と定められた資格です。

何が言いたいのかと言いますと、「経理の専門学校を出たけれど、就職先が無かったので引っ越し屋さんで正社員になりました」「福祉の専門学校を出たけれど、今は港で荷物の仕分け作業してます」「国際ビジネスコースを出て、ラーメン屋さんで働きます」という働き方では、決して技人国は取れないのです!ちなみに、「ラーメンはだめ?ならレストランで」という話ではありません。(実際にこういったご相談がありました。)

専門学校を出て、就職が決まらなかったもと留学生さんたちの在留期限がそろそろやってきます。それに伴って、いろいろな会社さん(多くは技人国たり得ない、単純作業環境の職場)から、外国人を採用したいとのご相談を頂きますが、かなり厳しい現実があるということを、まずはご理解いただきたいと思っています。

今年4月からは、こういった技人国が認められにくい職種に対しての、「特定技能」という在留資格ができました。ただこれは、留学生から切り替えられるものではなく、一度国に帰ってから再度申請しなおす類の資格になります。

採用元の方々も、今は人手不足だから外国人を雇わなきゃ、と思われるのでしたら、是非ともきちんと法務省の要綱にお目通しいただき、希望する外国人とご自身の会社がマッチするかどうかをお考えいただいた上で、ご相談を頂けましたら大変幸いです。もちろん、ご相談が先でこちらがある程度の判断をする、ということでも構いませんが、まずは大前提として、「日本できちんと就職するということは、留学資格で勉強しに来ていたことを生かせなければ国に帰るしかない」という流れを、外国人の方ご本人、そして採用先の方がご理解くださることは重要です。